Vol.55 今週末はマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)
2019/09/13
今週末には東京五輪のマラソン代表を決める、マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)がありますね。今回は号外として、その注目選手をご紹介いたします。
<群雄割拠の男子マラソン>
男子の出場選手は31名。このMGCシリーズが始まって以降、日本記録が2度更新され、男子マラソンのレベルは一気に上がったともいえます。上位2名が内定、3位も代表に決まる可能性が高い仕組みのため、記録は度外視で順位・勝負重視のレースが繰り広げられます。
①大迫 傑 (ナイキ・オレゴン・プロジェクト)自己記録2.05.50
②設楽 悠太 (Honda)自己記録2.06.11
③井上 大仁 (MHPS)自己記録2.06.54
という3強に加え、福岡国際マラソンを優勝して勝負強さを見せた
④服部 勇馬 (トヨタ自動車)自己記録2.07.27
の4強とも言われています。もっとも、気温が高い時期に行われるマラソン、雨予報の天候もあり、普段以上に何が起こるか分からないレースです。その他、注目する選手を2つの面からご紹介します。
~ポテンシャルを秘めた選手~
⑤中村 匠吾 (富士通)自己記録2.08.16
⑥佐藤 悠基 (日清食品グループ)自己記録2.08.58
⑦鈴木 健吾 (富士通)自己記録2.10.21
トラックレースや駅伝の走り、練習の強さなどから業界で評価されている選手です。
⑤中村匠吾さんは、駒沢大学時代から駅伝で活躍を続けてきましたが、マラソンでは暑くなったびわ湖で日本人トップ、昨年のベルリンマラソンで自己ベストと注目です。
⑥佐藤悠基さんは、学生時代からトラックレースのトップを走り続けてきた選手。マラソンでも回を重ねるごとに成長を見せており、MGCでその真価を発揮するかもしれません。
⑦鈴木健吾さんは、学生時代に学生史上最強といわれ、ロードで安定感のある、マラソン向きの走りをしてきました。その自己記録以上に実力はある、といわれています。
~悪条件に強いと思われる選手~
⑧今井 正人 (トヨタ自動車九州)自己記録2.07.39
⑨神野 大地 (セルソース)自己記録2.10.18
⑩堀尾 謙介 (トヨタ自動車)自己記録2.10.21
⑧今井正人さんは、元祖山の神として話題となりましたが、夏・冬とも悪条件に強く、我慢強い走りをする選手。現在は自己記録ほどのスピードはない印象ですが、夏の暑さにもしっかり対応できる選手です。
⑨神野大地さんも同じく箱根で話題となった選手。プロランナーとしてケニアを拠点にトレーニングを積んでおり、どんな走りをするのか注目です。
⑩堀尾謙介さんは、唯一大学生で出場権を獲得し、社会人1年目でMGCに挑戦。冷たい雨となった東京マラソンで日本人トップ、雨予報となっている今回のMGCでも上位で走るかもしれません。
以上、代表して10名をあげましたが、他にもリストアップしたい選手がいるほど、群雄割拠という状況です。
<読めない女子>
女子の出場選手は12名。男子と比べるとレベルアップしたとは言い難いですが、若手からベテラン、トラックで活躍した選手からマラソンで実績を残している選手と幅広く、読めない展開といえるのが女子です。
注目する選手を2つの面からご紹介します。
~トラックで活躍してきた選手~
①鈴木亜由子 (日本郵政グループ)自己記録2.28.32
②福士加代子(ワコール) 自己記録2.22.17
③上原 美幸 (第一生命グループ)自己記録2.24.19
いずれも世界大会を5000mや10000mで走った経験のある選手です。
①鈴木亜由子さんは、北海道マラソンで初マラソン初優勝。安全に走って優勝した、という印象のレースでした。トラックの実績は折り紙つきであり、自己記録は最も遅いながら優勝候補と目されている選手です。
②福士加代子さんは、ベテランの37歳。5000mとハーフで日本記録、10000mで歴代2位の記録をもつトラックの女王で、いまはマラソンでも実績十分です。
③上原美幸さんは、伸び盛りの選手。思い切った、気持ちの強い走りをするので、どんな走りをするか注目です。
~マラソンで実績のある選手~
④松田 瑞生 (ダイハツ)自己記録2.22.23
⑤前田 穂南 (天満屋)自己記録2.23.48.
⑥岩出 玲亜 (アンダーアーマー)自己記録2.23.52
④松田瑞生さんは、鈴木亜由子さんと並んで優勝候補といわれる選手。過去2回走ったマラソンはともに2時間22分台、強さと速さを兼ね備え、ラストスパートにも定評がある選手です。
⑤前田穂南さんは、女子マラソンの名門、天満屋の所属。トラックの実績はあまりありませんが、マラソンにしっかり合わせてきており、安定感のある選手といえます。
⑥岩出玲亜さんは、若いながら8回のマラソン経験があり、直近のレースでは福士選手に先着しています。プロランナーとして活動中であり、どんな走りをするのか注目です。
以上、代表して6名をあげましたが、男子より人数が少ない分、スローペースで駆け引きが多くなりそうな印象です。
MGCは東京五輪とほぼ同じ、市街地を走るコースです。ぜひお近くの方は現地で、そうでない方もTV等で観戦しましょう!